T自然気胸の再発とは
U再発するまでの期間
V治療方法による再発率
W再発を防ぐためには(治療方法の選択)
X再発の影響
T自然気胸の再発とは
気胸は保存的治療では40%ほどが再発しています。この再発率は気胸に罹患した患者さんにとって苦痛となります。特に20歳台の若い男性に多く突然の再発は社会的活動にも影響を及ぼします。今のところ手術以外に再発をなくする方法は無いと言っても良いのですが、それぞれの患者さんの社会的背景などに合わせた応変な治療方法の選択が肝要であると思います。
気胸再発までの期間は表に示したように、約60%は1年以内となっています。半年以内では50%以上、40%は3ヶ月以内に再発しています。早い時期に気胸は再発していることが分かります。
自然気胸にはいろいろな治療方法が試みられています。表に示したように、安静、穿刺脱気、胸腔ドレナージの保存的治療は50%以上の再発があり、手術に比較して高いものであることが分かります。中でも最も簡単で苦痛の少ない安静では60%を超えており特に再発率の高い治療法法であることが分かります。
W再発を防ぐためには(治療方法の選択)
気胸の再発を防ぐには、初回治療が大切であることは明らかでありますが、それぞれのケースでそれぞれ考えていくしかないと思います。どの方法が最適であるのかは患者さんによって流動的です。
X再発の影響
気胸は良性の疾患でありながら再発するという厄介な疾患です。再発するたびに長期の療養が必要というのでは罹患者としては耐えがたい負担となっています。特に、社会の一員として積極的に活動しなければならない世代にある、20歳代の男性に多いということは社会的損失でもあります。自然気胸の治療期間の短縮と再発の防止は特に呼吸器外科医が真剣に考えなければならない問題です。